【格差拡大】台風19号の被害を受けた武蔵小杉に対するバッシングに対して思うこと

お久しぶりです。長らく更新をサボっていた庶民派アラフォー弁理士です。

気が乗らない且つ書きたいと思うネタがないとブログの更新を続けるのもなかなか難しいものですね。

先週の土曜日には台風19号(通称、ハギビス)が東日本に上陸し、各地に大きな被害をもたらしました。河川の氾濫等により被災された方々には心からお見舞い申し上げます。

この台風19号により多摩川周辺も被災しました。特に、二子玉川や武蔵小杉が被災したことは大きなニュースになりましたね。武蔵小杉については、多摩川の水が排水管を通じて逆流した内水氾濫によって大きな被害を受けました。Twitter等のSNS上では武蔵小杉のタワーマンション群の住民を揶揄するコメントが多く投稿されました。

この武蔵小杉のタワーマンション住民を批判する一連の現象について、マスコミは二極化された日本の格差社会を象徴する出来事である旨コメントしています。勝ち組であるタワーマンション住民が困窮している状況を目の当たりにすることで自らの不遇の状況を慰める人々が一定数存在するのですね。

私個人的には武蔵小杉に住む親戚や知人がいますので今回の台風の被害には同情すると共に、一刻も早く街全体が現状回復することを祈るばかりです。

また、今回の台風の被害を目の当たりにしてハザードマップの重要性を再認識した次第です。といっても私の住む地域もハザードマップを見ると浸水が想定される危ないエリアですので今更どうしようもないのですが・・・。住居付近の川が氾濫した場合には私も被災していたことは間違いありません。

それにしても、世間の人々は、マスコミや三井不動産等の大手デベが作り上げた新興ブランド街に対して厳しい目を向けているように思われます。

私もかつて武蔵小杉や新川崎を引越し先候補として検討していました。これらの地域は利便性や資産性の観点からは極めて魅力的なのです。

まず同地区から首都圏へのアクセスが極めて良好なのですね。

武蔵小杉駅から品川駅までは約11分、同駅から新橋駅までは約15分、同駅から羽田空港までは約30分で行けるのです。

次に資産性の観点からも同地区は魅力的なのですね。

武蔵小杉駅周辺や新川崎駅周辺では大きな工場用地が点在していました。日本の製造拠点が中国に移転されるに従い駅周辺に点在していた工場用地が再開発用地として利用されることが計画されていました。また、2010年に横須賀線の新駅が武蔵小杉にできることが計画されていましたので武蔵小杉の利便性が大きく向上することが期待されていました。つまり、マンション価格(資産価格)が上がることは既定路線でした。

ですので、武蔵小杉駅周辺にタワーマンションを購入した方々は現在大きな含み益を手に入れているわけです。同駅の以前のタワーマンション価格は坪単価200万円前半だったものが現在では坪単価300万円後半となっているわけですね。

例えば、23坪(約76平米)で坪単価240万円の物件の販売価格は約5500万円(=23坪×240万円)となりますが、同物件の坪単価が350万円となると販売価格は約8000万円(=23坪×350万円)となります。この場合、同物件の含み益は約2500万円(=8000万円-5500万円)となります。

2010年以前における武蔵小杉駅のタワーマンションの購入は資産性の観点からいえば極めて合理的な選択だったわけです。一方、今回の台風により浸水リスクや電源喪失によるタワーマンションの弱点が露見したわけですが、それを考慮しても資産価値が購入価格を下回ることはないように思われます。

我々一般的な庶民からしてみれば、マンション等の不動産購入の選択は自己のバランスシート(資産総額)において極めて大きな影響を与えることになります。武蔵小杉のタワーマンション群の住民のキャッシュフロー(年収)は武蔵小杉以外の川崎市の住民のものとは大きな違いはないと恐らく思います。彼らの属性の大半は、医者や弁護士、大企業の役員ではなく普通のサラリーマンであると想定されます。しかしながら、彼らは、武蔵小杉の再開発計画を事前に見越した上でタワーマンションを購入したことで不動産による大きな含み益を手に入れることができたのです。

今回のSNS上の武蔵小杉叩きとは、同じ労働者階級同士の妬みや嫉妬から来ていると言われていますが、まさに購入不動産の選択によって生じた大きな差が妬みや嫉妬となって噴出した形となりました。

さらに、アベノミクス以降の異次元の金融緩和により不動産価格が2012年から比較して1.4倍程度に上昇していることから、不動産購入場所と購入タイミングにより絶望的な格差が生じているという現実があります。

この点については以下の記事が役に立つかと思います。

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また、今回の台風の被害によりタワーマンション(以下、タワマンという。)の災害に対する弱点が露見した形となりました。これに対してネット上では低地のタワマンではなく高台の住宅地を選択するべきといった意見も見られました。

確かにお金に余裕がある場合には災害に強い高台の住宅地を選択するのも一手かと思います。

一方で、武蔵小杉のタワマンの住民にとっては住宅の利便性・資産性(相続税対策を含む)がトッププライオリティとなってくるかと思います。この点、川崎や横浜の高台の住宅では急坂がつきまとうため都内通勤の労働者にとっては不便そのものとなります。昔は高級住宅地と言われた高台の住宅地も利便性には劣るため、資産性の観点においても低地と比べると優位性はないのです。

昔はタワマン等の建築物は存在しなかったため、眺望や日当たり等の良好な住環境を確保するために低地よりも高台が好まれたのです。しかしながら、現在は低地にそびえるタワマンであれば、良好な住環境と利便性の両方を確保することができるのですね。まさにタワマンは利便性を確保した現代の高台住宅そのものとなります。ちなみに筆者はタワマン住民ではありません。。。

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まとめ

武蔵小杉のように新線開業や駅前再開発により不動産価格が高騰する例は枚挙にいとまがありません。神奈川県に限って言えば、横浜みなとみらい地区のマンション群(2003年)が好例となりますね。横浜ウォータフロント地区では、今後カジノ建設に伴う山下埠頭周辺の再開発が期待されるところです。

また、最近では、ららぽーとを皮切りに海老名駅周辺の大規模再開発が現在も進行中となります。この再開発に伴い海老名駅周辺のマンション価格が高騰しています。さらに、相鉄線・JR直通線の開業に伴う羽沢地区の再開発も今後期待されています。

このような不動産購入に伴う格差は日本に限った話ではなく現在世界的な社会問題となっているのです。特に、中国の富裕層による不動産投資によって香港や台北の不動産価格が高騰とした結果、同地域の人々は一生働いてもマンションが購入できないといった事態が生じているのです。

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