こんばんは。庶民派アラフォー弁理士です。実に1か月ぶりの更新となります。
今回は金銀ビットコイン円のチャートを検証することで今後の私の投資戦略を簡単にコメントします。
金価格のチャート
最初に金価格のチャートを示します。

今月はファイザーのワクチン開発成功のニュースを発端に金融市場が大きく変動しました。特に、石油や航空株等のバリュー株が大きく値上がりした一方で、ハイテクグロース株が大きく下落しました。また、金銀等のコモディティは5%以上下落しました。
つまり、将来的な経済回復を見込んで米国債が大きく売られたことから、10年国債金利が大きく上昇しました。この結果、益利回りが低い(PERが高い)銘柄や金利がつかない金銀からバリュー株に資金移動が生じたものと考えられます。
しかしながら、金市場は巨大市場であることから、金価格はトレンドラインに素直に動くことが想定されます。現在は下値トレンドライン上におり、このトレンドラインをサポートとして大きく上昇すると筆者は考えています。
また、金価格の上昇=ドルの下落となります。
FRBによる追加金融緩和によって大量の国債が市場から買われて、大量のマネーがFRBから市場に供給されることが想定されるのです。現状でさえ、マネーサプライに対して金価格は歴史的にかなりの安値となっています。
さらに、FRBによる追加の金融緩和及び/又は政府による景気刺激策は、コロナ患者数の現在の惨状を考えれば当然の措置のように考えられるのです。このトレンドラインに沿って動くことを前提とすれば、2022年1月に金価格は2500ドル~3000ドルの間となっているはずです。
次に、金融緩和と景気刺激策についておさらいします。
金融緩和…FRBが金融機関の国債等を買い上げること。
景気刺激策…政府が国債等を発行することで公的資金を民間に注入すること。
また、上記のように「金融緩和」と「景気刺激策」は大体セットで行われることが多いかと思います。マネーサプライが増えるのは金融緩和となります。FRBが国債購入を通じて金融機関にマネーを注入するためです。一方で、景気刺激策の場合には国債残高が膨らむことになります。
理屈的には以下のような感じとなります。
- 政府が国債発行を通じて民間にマネーを注入(国債の金利上昇要因)
- FRBが金融機関の保有分の国債を買い上げる(国債の金利下落要因)
つまり、景気刺激策と金融緩和の2つを通じて、FRBが金融機関を介して政府の国債を引き受けた上で、市場にマネーを注入するわけです。日銀と日本政府による実質的な国債引き受けと同じ理屈となります。日本政府のデフォルトがあり得ない理由がここにあります。
景気刺激策により国債金利は上昇(つまり、国債価格は下落)しますが、金融緩和により国債金利は下落します。結果として、国債金利の変動を景気刺激策と金融緩和の2つにより打ち消すことが可能となるわけです。
では、この二つで何が起こるのかというと・・・
- 政府債務(国債残高)の増大
- ドルの発行量の増大(ドルの価値下落)
また、イールドスプレッド等を考えれば、国債金利は株価の益回りや不動産利回りに大きな影響を与えることになります。一方で、金価格は国債金利により決定されると考えない方がよいと私は思うのです。
金価格は長期的にはマネーサプライに大きく影響を受けるのです。つまり、ドルの発行量が増えるとドルの価値が希釈化されるので、結果として金価格が上昇するのです。
但し、円の価値が希釈化されない場合には、ドルベースで金価格が上昇したところで、円ベースの金価格の上昇は小幅なものとなります。円高となるためです。
あくまでもFRBの金融緩和に日銀が追従することが前提となります。現在の政権の方針を考えると大きな円高は許容できないと考えるのが自然かと思います。
つまり、金投資は円ベースで考える必要があり、日米の中央銀行による金融緩和に注目することが肝要となります。
また、経済評論家の中には国債金利を基準に金価格を議論している方が多くいますが、これは本質的な議論ではないと思うのです。
金価格は本質的にはドル若しくは円の下落とイコールで議論するべきです。
銀価格のチャート
次に銀価格のチャートを以下に示します。

金よりも面白いのが銀となります。金銀レシオは未だ77倍の水準となっており、歴史的に銀が金に対して割安となっております。
さらに、金と銀の相関率は85%となっています。金が大きく上昇すると銀は金以上に上昇するのが今までのパターンとなります。
また、銀は産業用途がメインとなり、ソーラパネルにも銀が多く使用されています。バイデン政権下によるグリーンニューディール政策では、ソーラパネルの普及が加速していくことが予想されます。
私が今最も注目している銘柄は銀となるのです。
銀は2021年の主役になる可能性を秘めているのです。
ビットコインのチャート
次にビットコインのチャートを以下に示します。

ビットコイン価格は5月の半減期を経た上で大きな下値トレンドラインを上にブレークアウトしてから、完全に上昇トレンドに転じました。
しかしながら、目先の天井は18000ドルとなり、ビットコイン価格は一旦調整すると考えています。
中長期的にはビットコイン価格は私の目標である10万ドルに到達する可能性があるように思います。
ちなみに私はビットコインをコロナショックの前後に多く購入しております。
ビットコインが上昇するのは金と同じ理由です。さらには、半減期によりビットコインの希少性が4年毎に倍になっていくことからビットコインは金よりも価値が上昇しやすいのです。
つまり、ビットコインは金よりも希少性の成長率が圧倒的に高い一方で、ドルは希釈化に拍車がかかっているわけです。このように、ビットコインは金よりもドルベースで激しく上昇するのです。
一方で、ビットコインは時価総額が30兆円程度と小さいことからボラティリティが大きくなります。このため、ビットコインは危険な投機商品として世間一般には認識されているのです。
私は、ビットコインの本質は金よりも希少性の成長率が大きいデジタルゴールドであると考えています。ですから比較的大きな資金を投じることができるのです。
円のチャート
最後に円のチャートを以下に示します。

上記に示すようにドル円レートは長期的には下落トレンドとなります。現在の中期的なトレンドラインを考慮するとドル円レートは2021年に100円前後になる可能性があります。
さらに長期的にはドル円レートは70円割れとなると予想しています。
勿論、日銀がFRBと同程度の金融緩和を実行するのであればドル円レートは大きく変動しないはずです。しかしながら、日本国債のGDP比率を考慮した場合にはこれ以上大胆な金融緩和は、大幅なインフレを招く危険性があるのです。
また、日本人のコスパ重視のケチな性格や平均年収の下落を考慮すれば、大きなインフレは今後も生じにくいと考えるのが自然です。さらに、ドルベースにおける日本人労働者の収入は、日本人の生産能力を考慮すると著しく低いと言わざる負えません。
よって、ドル円レートは円高が来年以降に加速する可能性があります。つまり、ドル円レートの下落以上に米国株が上昇しない場合には米国株は円ベースで大きな下落となるのです。
現在のバフェット指数(175%)やシラーPERに基づくイールドスプレッド(2.2%)を考慮すれば、このシナリオは高い確率で起こり得ると考えています。
つまり、2020年代における米国株投資は大きなリスクがあると私は考えています。
まとめ
2000年のドットコムバブル崩壊のときに何が起こったのかもう一度考える必要があるかと思います。歴史は韻を踏むのです。
2000年代を振り返ると最も有望な投資先は金銀プラチナであったはずです。今はビットコインというStore of Valueが可能なデジタルゴールドが存在します。
銘柄分析や次世代技術の研究も大事ですが、大局的な物の見方(即ち、マクロ分析)が最も投資において大事であると思うのです。