【注目】Venusファイナンスー XVSトークンの分析

こんにちは。庶民派アラフォー弁理士です。

GWの外出自粛もあり本日もブログを投稿します。

今回はバイナンススマートチェーン(以下、BSC)上で最も資産規模が大きいVenusファイナンス(以下、Venus)のガバナンストークンXVSの簡単なご紹介です。

Venusでは、自己のコインを預けることで、預けたコインに対する金利分とガバナンストークンXVSがもらえます。

また、Venusからコインを借りることでもXVSがもらえますので、保有コインを預けつつ、コインを借りることでXVSをより多く稼ぐことが可能となります。

金利は市況に応じて常に変化しています。

Venusの預入金利(=預入コインの金利+XVS金利) 2021.5.3時点
Venusの貸出金利(=XVS金利-貸出コインの金利) 2021.5.3時点

また、Venus上においてステーブルコインVAIを発行することが可能となります。VAIは自己が預けた資産によって担保されているため、価格が安定する仕組みとなります(現時点で担保資産の60%を限度としてVAIの発行が可能となります)。

これはMakerDAOのステーブルコインDAIと同じ仕組みとなります。

このように、Venusファイナンスは、去年の夏に一世を風靡したDeFi(分散型金融)のCompoundとMakerDAOを組み合わせたようなプラットフォームの設計となっているのです。

Venus上のガバナンストークンXVSはVenusの利用(預入れと借入)を通じて配布されているのです。

XVSの総発行枚数は3000万枚、2021.5.3時点での発行枚数は970万枚となっています(CoinGecko調べによる)。

目次

Venusの利用方法

Venusの利用方法は主に以下となります。

  • VAIの発行又はBUSD等のステーブルコインを借りる→値上がり期待のアルトコインに投資又は家などの実物資産の購入に充当
  • ペアトレード(例えば、イーサリアムを借りてビットコインを買う等→ETH/BTCのレートの値下がり対しての投機)
  • 高配当戦略(例えば、VAIのステーキングやPancakeswapやSwipe networkへの流動性提供)

Venusの最大の利点は保有コイン(例えば、ビットコイン)を売らずに、ステーブルコインや他のコインを借りることができるのです。『保有コインを交換しない』点が重要です。

勿論、レバレッジ戦略やショート戦略はリスクが増大しますので、余裕資金の範囲内で少額から始めるのがベストとなります。

XVS価格の推移

以下にXVSの価格推移を示します。

XVS価格の推移 trading viewから引用

XVS価格は2020年10月頃は2ドル台で推移しておりましたが、現在は130ドル付近まで高騰しています。この数か月で約60倍の上昇です。

これはDeFiのブームとイーサリアムチェーンのガス代の高騰が相俟って、ガス代が安いBSCの一大ブームが起こったことが要因となります。

現在ではVenus上では約100億ドル規模の資産が預け入れられております。

他のDeFi銘柄との比較

次にXVSと他のDeFi関連トークンとの比較となります。

トークンチェーン時価総額(10億ドル)TVL(10億ドル)時価総額/TVL希薄化時価総額/TVL
Pancakeswap (CAKE)BSC6.710.000.67
Uniswap(UNI)ETH228.002.755.36
Compound(COMP)ETH4.38.960.480.88
MakerDAO (MKR)ETH4.79.590.490.55
Sushiswap (SUSHI)ETH/BSC24.760.420.67
Swipe(SXP)ETH/BSC0.160.028.9329.48
Venus (XVS)BSC1.210.000.120.37
2021.5.3時点でのCoinGecko調べによる TVL(Total Value Locked)

XVSの比較対象となるトークンは、CAKE, UNI, COMP, MKR, SUSHI, SXP, XVSとします。

DeFi関連トークンの価格のバリュエーション(valuation)は、プラットフォーム上にロックされた資産合計額(Total Value Locked、略してTVL)と時価総額との比率を指標とすることが通例となっているようです。株式投資で言うPBRに近い概念と考えて頂ければと良いかと思います。

上記表で言うと、時価総額/TVLの比率がポイントとなります。

また、未発行分のコインを考慮した希薄化時価総額/TVLも重要な指標となります。

各トークンの時価総額と時価総額/TVLを以下のグラフに分かり易くまとめます。

上記から明らかなようにイーサリアムチェーン上のDeFiトークン(特に、uniswap)が過大評価されている一方で、BSC上のDeFiトークンは過小評価されているように思われます。

特に、XVSは他のDeFiトークンと比べても時価総額/TVLの観点からは非常に割安となります。

BSCはバイナンスが運営する中央集権的なチェーンとなりますので、政府の規制リスクを考慮する分だけBSC関連トークンはイーサリアム関連トークンと比較すると割安となります。

また、BSC関連トークンを扱う取引所(DEX除く)がほぼバイナンスに限定されている点も割安の要因として挙げられます。

XVSの今後のイベント

エアドロップイベント

2021/5/15にXVSホルダーはVenus Reward Token(VRT)のエアドロップを受けることが確定しています。XVSとVRTとの交換比率は1:1000となります。

VRTのエアドロップでは、ホルダーはXVSをウェレットに保管していてもよいし、取引所に保管していてもよいようです。Venus上に預けたXVS(以下、vXVS)も同様にVRTを貰えるようです。

また、ウォレットに10枚以上のXVSを保管しているホルダーは、何らかしらのNFTを貰えるようです。

基本的にエアドロップイベントを控えているトークンはスナップショット日に向けて価格が上昇する傾向があります。

過去のXEMやXRPのスナップショットが典型的な例となります。

これは権利落ち前の高配当銘柄の値動きを想像して頂ければよいかと思います。例えば、高配当タバコ銘柄は配当権利落ち日に向かって上昇し、配当権利落ちに伴い配当分以上に下落する傾向があります。

勿論、権利落ち後(スナップショット後)には高配当銘柄同様にトークン価格が下落する傾向があります。

VRTの概要

VRTはXVSと共に今後流動性を提供するユーザに提供されるトークンとなります。一方で、XVSの希少性(S2Fモデル)を上昇させるため、XVSの流動性提供に対する報酬レートは今後減少します。

VRTの総発行枚数は30億枚となり、エアドロップ時に8億枚が発行されます。

担保比率の変更

現在、Venus上でトークンを借りる場合には、借入額の60%以上の担保資産が要求されています。

例えば、3000ドルのUSDTを借りる場合には、少なくとも5000ドル以上の担保資産が要求されるのです。さらに、相場変動により担保資産が借入額の60%を下回った場合には担保資産の清算(liquidation)が自動的に実行されると共に、清算ペナルティとして担保資産の15%分が徴収されます(2021.5.4時点で清算ペナルティが10%→15%に変更されました)。

スマートコントラクト上のプログラムで自動的にこれらの一連の処理が実行されるのです。

一方で、現在のVenusコミュニティー上では担保率を60%→80%に変更することが提案されております。担保率変更が2021.5.3に実施される予定でしたが、一旦提案が白紙にされたため、担保率の変更の施行日が少し遅れる模様です。

しかしながら、担保率が変更されると、Venus上の預入れ資産(TVL)は増大することになります。

例えば、Venus上で借りたコインを更にvenus上で預けた上でさらにコインを借りたとします。この一連の工程を繰り返した場合には、Venus上で運用する資産総額は最初の預け入れた資産と比較して増大します。

最初に預けた資産額をaとして、担保率をrとすると、資産総額は以下のように計算可能です。

a+ar+ar2+ar3+・・・+arn (n→∞)
=a×∑rk-1
=a(1-rn)/(1-r) (n→∞)
=a/(1-r)

つまり、資産額aから最大でa/(1-r)までVenus上に資産を膨らませることが可能となります。

具体的には10000ドルのUSDTをvenusに預けた場合には、担保率r=0.6とした場合に最大で25000ドルのUSDTをvenus上で保有することが可能となります。

ここで、担保率が0.6→0.8に変更された場合には、最大で50000ドルのUSDTをVenus上で保有することが可能となります。

つまり、担保率rを変更することでvenus上のTVLが飛躍的に増大する可能性があるのです。

このように、XVSの時価総額/TVLがさらに低くなることからXVSの価格は上昇する余地が大きくなります。

例えば、XVS価格とvenus上のTVLには相関関係があることが判明しています。

以下のグラフはDefistationからの引用となります。

このようにVRTのエアドロップと担保率の変更による相乗効果によりTVLが増大する可能性が今後あります。

Venus DEX/固定レートファイナンス

Venusプラットフォーム上において分散型取引所が実装されます。2021年度中となりますが、具体的な実装日は未だ不明です。

また、固定レートのファイナンスも2021年度中に予定されています。

このように、運営サイドであるSwipe側は、VenusのTVL及びXVSトークンの時価総額を上げるために様々な手段を計画しているのです。

終わりに

XVSトークンとVenusを今回分析してみましたが、他のDeFi関連トークンと比較するとXVSには面白い要素が色々とあることが判明しました。

また、Venusは他のDeFiプラットフォームに比して低コストで使いやすい点で優位性があると思います。折しもイーサリアム価格の高騰により、イーサリアム上のDeFiの利用は益々難しい状況となっております。

勿論、市況環境(ビットコイン価格)に大きく依存しますので、今後トークン価格が大暴落する可能性もあり、リスクが非常に高い投資であると考えます。

私はXVSトークンをそれなりに保有していますが、クリプトのポートフォリオの90%以上はビットコインとなります。寧ろ、現物を含めた金銀の保有金額が最も多いぐらいです。

ただ、Venusを非常に頻繁に利用していることもあり、アルトコインの中ではXVSトークンが最も面白いのではないかと最近思っているのです。

投資はあくまでも自己責任でお願いします。

今回の記事の執筆にあたり、情報の正確性を担保するために、Venus Protocolのホワイトペーパを2回程度読み込んでおります。

※本ブログ記事は何らファイナンシャルアドバイスを意図したものではなく、VenusとXVSについての紹介ブログとなります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次