動き出した金、銀そしてビットコイン-CBDCを見据えた今後の投資戦略

こんばんは。久しぶりの更新となります。庶民派アラフォー弁理士です。

ここ一週間で金先物価格、銀先物価格が大きく動き出しました。特に、銀価格の急騰には目を見張るものがあります。7月だけで銀価格は約25%程度上昇しているのです。以下に銀ETFのSLVのチャートを示します。

SLVのチャート(trading view)

金先物価格も節目の1900ドルに到達しています。現在の金銀レシオは約83倍ですので、まだまだ銀価格は金価格よりも早いペースで上昇する可能性があります。

現在のマーケットの指標(valuation)は以下となります。

バフェット指数152.6%
PER27.7倍
シラーPER30.1倍
10年債利回り0.6%
イールドスプレッド3.03%
ダウゴールドレシオ14
金銀レシオ83
ゴールドマネタリーベースレシオ0.34
オイルゴールドレシオ0.021

現在のバフェット指数は史上最高値付近にいることは明らかとなります。米国経済が歴史的な大不況に突入している中で米国株価は歴史的高値となっているのです。

一方、ダウゴールドレシオは現在14倍付近となります。以下にダウゴールドレシオのチャートを示します。

ダウゴールドレシオの推移(macrotrendsより引用)

コロナショックによる株価大暴落によりダウゴールドレシオは今年3月に13.66倍まで下落した後に一時上昇しました。その後現在の同指数は14倍付近となっています。

つまり、コロナショックの最安値よりダウ指数はドルベースでは大きく反発したものの(20000ドル→27000ドル)、世界通貨である金と比較した場合には殆ど回復していないのです。4月以降のダウ指数はドルの通貨価値の下落により回復したように見えているだけなのです。

さらに、ダウゴールドレシオからわかる真実は、ダウ指数は2018年初頭で既にピークアウトしているのです。2018年以降のダウ指数の上昇は全て通貨価値の下落によるものとなります。

一方、金先物価格は歴史的高値である1900ドルに到達した一方、ゴールドマネタリーベースレシオ(ドル供給量に対する金価格の比率)は依然として0.34付近となっています。つまり、金価格はドル供給量に対して歴史的に安値であることを示唆しています。今後同指数は1程度までは上昇すると思われます。

また、インフレ率の大きな上昇が現在生じていないのに金価格の上昇は正当化できないといった意見もあります。これは一見正しいように見えますが、今後のインフレ率の急上昇は以下データから予測可能となります。

ドル供給量の成長率(黒色ライン)とインフレ率(赤色ライン)の推移

上記チャートは、ドル供給量の成長率の推移(黒色)と米国インフレ率の推移(赤色)を示しています。今回のコロナショックに伴うFRBのマネー供給量の伸び率が歴史的に前代未聞の値であることが理解できます。このマネー供給量の伸び率はWW2を凌ぐ値なのです。それと、このチャートから分かることは、マネー供給量の伸び率が増大すると、その翌年又は数年後にインフレ率が急激に上昇しているのです。

つまり、2021年以降にインフレ率の急激な上昇が起きることが予測されます。

一方で、FRBは2022年末までゼロ金利政策を維持することを発表しています。

金価格は一般的には実質金利(10年国債利回り-インフレ率)に連動するものです。実質金利がマイナスとなれば金価格は上昇する一方で、実質金利がプラスとなれば金価格は下落します。

考えて見れば当然の話です。実質金利がプラスであればリスク資産の金を保有するよりかは長期国債を保有するのが理にかなう行動です。その反対であれば国債保有は実質資産の減少となるため金を保有することに妥当性があります。

まとめると、以下となります。

  • バフェット指数及びダウゴールドレシオから明らかなように株をゴールドに変えるのがマクロ分析上妥当である。
  • 金価格はドル発行量に比して歴史的に安値である。
  • 実質金利のマイナスが今後想定されるため、国債や国債ETF(BND,TLT等)の保有は不利となり、ゴールド保有が最も妥当である。

次に、ビットコインはどうでしょうか?

ビットコインは金銀と比べると反応がまだありませんが、ここ一週間で大きな動きがあると思っています。

以下ビットコインのチャートとなります。

ビットコイン価格の推移(trading view)

ビットコインは今年の5月に三回目の半減期を迎えており、現在のストックフローレシオ(S2F)は約56倍となっています。以下の過去記事が参考になるかと思います。

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ビットコイン価格は半減期後の前半2年に大きく上昇しつつ、後半2年で下落する傾向があります。現在のチャートは2014年-2015年のチャートと酷似しており、2018年-2019年に形成された上値トレンドライン(赤色ライン)を今週突破したところとなります。

このトレンドラインを突破すると、100Kドルに向かって上昇していく可能性もあります。現在世界の中央銀行で議論されているCBDC(中央銀行デジタル通貨)もビットコインには追い風となります。CBDCはブロックチェーンを利用したトークンとなる可能性が高いといった話もあります。

一方、CBDCが普及したところでマネーの本質は変わることはありません。ゴールドの裏付けがない通貨(Fiat currency)の価値は供給量の増大により減価していく運命なのです。

一方で、CBDCとは異なりビットコインの発行量は2100万枚に制限されると共に、マイニング量の減少に伴い今後その希少性が益々注目されるはずです。

ポストコロナを踏まえた2020年代はブロックチェーンの時代となるはずです。特に、金融、取引、契約、登記等がサーバ上のデータベース管理からブロックチェーン管理となる時代が到来します。

現在のビットコインの時価総額は18兆円程度となりますが、今後ビットコインは通貨ではなくデジタルゴールドとしての地位を確立する可能性があるのです。

本日の記事はここまでとします。

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