こんばんは。庶民派アラフォー弁理士です。
世界はいま新型肺炎の世界的流行に関連したニュースでもちきりですね。コロナウイルスによる感染者がアジアだけでなく欧米でも急激に増加しています。これに伴い世界経済は大混乱となっており、米国株式指標S&P500は直近高値から約13%下落しているのです。
さらに、FRBが政策金利を急遽0.5%切り下げたため、米国10年物国債利回りは一時0.7%を下回りました(国債価格は急騰)。 本日もレバノンの政府債務デフォルトやニューヨークの非常事態宣言等のきな臭いニュースが流れてきましたね。
今までの力強い米国経済の伸びにより投資家心理は楽観モードだったところ、世界的なコロナウイルスの感染拡大により一気に投資家心理は恐怖モードに突入しました。
また、米国国債利回りの急低下に伴い、日米金利差とインフレ率差で決定されるドル円の為替レートは、一気に円高モードに突入しています。
2月後半に1ドル112円だった為替レートは、FRBの政策金利の利下げにより現時点で1ドル105円にまで円高が進行しているのです。
本日は、世界経済のリセッションに対応したポートフォリオについての記事をご紹介します。
現在のポートフォリオ
世界経済のリセッションに対応した現在の円貨以外の金融資産のポートフォリオは以下となります。
以前の記事にてお伝えしたように、昨年末に保有していた現物株とETFを全て売却しました。
その後、今年初めにBNDとMMFを購入し、現在上記のようなポートフォリオを構築しました。
今回のコロナショックによりポートフォリオの合計は高値から円ベースで65万円程低下しています。ドルベースでは2%程度の低下なのですが、円高が結構な痛手となっていますね。
ちなみに、今回のコロナショックにより高値よりS&P500は13%程度下落していると共に、ドル円レートは7%程度下落しています。つまり、円ベースですとS&P500に連動するETFは、現時点で20%程度の下落となるのです。
米国政策金利はマイナス金利まで現在検討されていますので、日米金利差の縮小と共に米国のインフレ率差の拡大が今後は懸念されます。となると、今後は大きく円高が進行しますので、米国株価の下落と円高のダブルパンチによりドルベースの金融資産は大きな痛みを伴う最悪のケースも想定されます。
一方で、コロナ騒動の収束後に低金利に伴う株式市場のバブル発生も別のストーリーとして想定されます。
現在のS&P500の予想PERが17倍(利回り5.9%)であり、債券利回りが0.7%であれば、イールドギャップ(=債券利回りー株式益回り)は、-5.2%となるのです。過去の平均イールドギャップが-1.8%であることから、予想EPSが変化しなければ株価上昇余地は単純に2.8倍となります。
ビットコインをポートフォリオに加えた理由
今回のポートフォリオではビットコインを新たに追加しました。
ビットコインは持たざるリスクを回避するための保険となります。
米国債のマイナス金利の可能性が議論されている中、唯一魅力的な法定通貨であった米ドルの価値が今後大きく毀損されることになります。となると世界中の全ての通貨が通貨安競争を繰り広げることとなり、法定通貨の価値は今後急激に低下するのです。
株やETF以外の金融資産で価値を維持可能なディフェンシブな資産としては金が挙げられますが、金ETFよりかは今後の半減期による資産価値の上昇が見込まれるビットコインを保有することに妥当性があると判断しました。
ちなみに、ビットコインの長期チャートは以下となります。
上記のログスケールのチャートから分かるようにビットコイン価格は4年周期で上昇と下落を繰り返しているのです。これは以下のチャートでより明確になるかと思われます。
ビットコインでは、21万回のブロック生成処理後にマイニングの報酬が半減するような仕組みとなっています。ブロック生成処理には約10分の時間を要するため、ビットコインのマイニング報酬の半減期は約4年となっているのです。つまり、4年ごとにビットコインの発掘量が半減していき最終的にはビットコインの総量は2140年頃に2100万BTCで一定となるのです。
過去のビッコインのチャートによれば、半減期を迎えた後にビットコイン価格が急激に上昇していることが分かります。
- 2012年の半減期からピーク迄:10ドルから1000ドルまで約100倍の上昇
- 2016年の半減期からピーク迄:600ドルから18000ドルまで約30倍の上昇
- 2020年の半減期からピーク迄:???
ちなみに、今回の半減期は2020年5月11日頃となるようです。
勿論、以下のビットコインの仕組みに惹かれた部分もあります。
- P2Pにより分散して資産データベースを管理
- 金融機関の倒産リスクとは無縁(預金はあくまでも銀行債権)
- ハイパーインフレによる通貨価値の毀損リスクとは無縁
- 円貨に代わる価値交換媒体となる可能性
- 秘密鍵・公開鍵の生成により自由に自己のアドレス(口座)を生成可能(例えば、ペーパーウォレット等)
- 海外において現地法定通貨に代わって決済が可能
- 堅牢な銀行システムがない国でもビットコインによる決済システムの導入が可能
何よりも国債デフォルトやインフレ経済の防衛策として今後ビットコインが一般的に普及する可能性があるのですね。昨今の金融緩和によるマネーの爆発的増加は今後の過度なインフレの危険性を孕んでいます。
また、テクノロジーの一般大衆への本格的普及には概ね20年程度の期間がかかるのが通常です。ブロックチェーン技術はまだ本格的普及前の状態なのですね。 ビットコインはブロックチェーン技術の一部にすぎません。対象となるトランザクションは決済だけでなく、契約書や登記などの取引記録にも応用可能となります。
ブロックチェーン技術は、特許的な進歩性の観点からは既存技術の寄せ集め(P2P、電子署名、ハッシュ演算)なのですが、取引記録を中央集権的に管理しないビジネスモデルに私は大きく共感しました。
現時点でのビットコインの時価総額は未だ1570億ドルとなります。ちなみに金の時価総額は7兆ドルと言われています。今後のビットコインの普及に伴う時価総額の増加が期待されるところです。
ロイヤルダッチシェルをポートフォリオに加えた理由
また、今回のポートフォリオでは、VTIやVHT等のETFに加えて、個別株としてロイヤルダッチシェル(RDS-B)をポートフォリオに加えています。同社は言わずと知れた欧州最大の石油会社となり、70年間配当金を減配しなかった会社としても有名です。
この株は、過去に配当再投資により莫大なリターンを叩き出した典型的なシーゲル銘柄としても知られています。同社の株価の推移は以下となります。
同社の株はコロナショックにより叩き売られており、現在約42ドルまで下落しております。1月6日の株価61ドルから約33%の下落となっているのです。
現在の配当利回りは8.98%(配当金3.76ドル)となっているのです。
ちなみに、同社の株はRDS-Bであれば、イギリス所属となりますので外国株課税10%は生じないため、NISA経由で同社の株を購入すれば、手取りの配当利回りは8.98%となります。
繰り返しますが同社は70年間一度も減配をしていないのです。さらに、現在の予想EPSから判断しても減配リスクは低いものと考えられます。勿論、今回のコロナショックにより大きなEPSの下方修正があることは予想されますが。
- 予想EPS: 5.77ドル
- 予想PER: 7.26倍
- PEGレシオ: 1.15倍
- PBR:0.89倍
上記データはこのサイトを参考にしています。
今回のコロナショックにより石油セクターが異常な程売り込まれているのです。短期的には石油セクターへの投資はリスクが大きいですが、私はこれは長期的には大チャンスと捉えています。
今後はVTI等のETFの購入だけでなく、同社の株を積極的に購入することを一つの投資戦略の柱とする予定です。20年チャートを見ると同社の株価の下値は40ドル付近となります。
まとめ
今回の記事は世界経済のリセッションに対応した自分の投資戦略を具体的に述べさせて頂きました。自分の投資戦略が果たして吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知るところです。
来年にはこの投資戦略が正しいものだったのか答えが出ているはずです。
『人々が貪欲となっているときは警戒し、人々が恐れているときは貪欲になれ』
本日の記事はここまでとします。
ではでは来週も頑張りましょう。
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