こんばんは。お久しぶりとなります。超庶民派アラフォー弁理士です。
先週から本サイトがハッキングの被害を受けたため、一旦ワードプレスの全データを初期化しました。本投稿は汚染前のデータベースには保存されていなかったため、再アップロードします。この投稿に記載の各種情報は今後の投資においても重要であると考えているからです。
先週末は安倍総理の辞任に関するニュースがあり、次期自民党総裁選の行方が気になるところです。
おそらく、今後数年に亘る政権の行方は、菅さん(横浜西区等)、河野さん(平塚/茅ヶ崎等)、小泉さん(横須賀)の神奈川地盤の三者がキーパーソンとなる予感がします。リフレ派政権が続けば円価値毀損に基づく格差拡大政策は暫く続くかもしれません。
となれば、大幅な円高ドル安によるドル資産の毀損は免れるかもしれません。
また、8月中旬は金価格が大幅な調整となり、2100ドル/オンス手前で金価格は約10%の急落となりました。金価格の急騰はまだまだ序盤となりますので、目先の価格変動には惑わされず、長期保有するべきかと思います。
さらに先週はFRBのパウエル議長から2%超のインフレ容認とゼロ金利政策の維持の声明がありました。この声明はかなり重要な意味を含んでおり、今後ゼロ金利政策は数年に亘り維持されることを示唆しています。
現在の米国株のS&P500指数は3508ドルとなり、既にコロナショック前の水準を回復しているわけですが、米国株バブルの大暴落は必至なのでしょうか?
これについて簡単なマクロ分析結果を以下に示します。
現在の各資産のバリエーション
現在の各資産(株、金、銀、国債)のバリエーションは以下となります。
バフェット指数 | 184.70% |
S&P500 PER | 30.1倍 |
S&P500 シラーPER | 32.3倍 |
S&P500 株益回り(シラーPER) | 3.1% |
米10年国債金利 | 0.72% |
インフレ率 | 1.77% |
実質米10年国債金利 (10年国債金利-インフレ率) | -1.05% |
実質株益回り (株益利回り-インフレ率) | 1.3% |
イールドスプレッド (株益回り-10年国債金利) | 2.4% |
ダウゴールドレシオ | 14.7倍 |
金銀レシオ | 71倍 |
ゴールドマネタリーベースレシオ | 0.4 |
基準シラーPER | 39倍 |
株価上昇余地 | 21.9% |
上記よりGDPに対する米国株の全体の時価総額の比率を示すバフェット指数は184%となり、米国株が米国史上最大のバブル価格であることを示唆しています。
一方で、米10年国債金利は0.72%となっており、国債価格も米国史上最大のバブル価格であることを示唆しています。
株益回り-10年国債金利を示すイールドスプレッドは2.4%となっており、過去平均イールドスプレッドよりも高い値となりますので、国債よりも株の方が割安であることを示しています。
また、10年国債金利-インフレ率を示す実質米10年国債金利はマイナス1%であることから実質金利0%の金の方が国債よりも割安であることを示唆しております。
さらに、市場に供給されるマネーサプライに対する金価格の比率は現在0.4となっており、ドルに対して金が非常に割安であることを示しています。
次に、株益利回り-インフレ率を示す実質株益利回りは1.3%であることから、金に対する株利回りは現在1.3%しかないことを示唆しています。また、現在のダウゴールドレシオは14.7倍となり下降トレンドにあることから、株は金に対して下落する余地がかなりあります。
以上を考慮すると、現在は銀<金<株<国債の順番で割高となっております。最も割安な銀を保有する一方で、最も割高な国債を売却することがマクロ分析上妥当性があるということです。
また、現在の株価はバフェット指数の観点から言えば大バブル価格となっており、バフェット指数の適正値である90%程度まで下落する場合には、米国株は52%程度の大暴落は免れないこととなります。ただ、現在のS&P500構成銘柄はGAFAMを初めとするテック系グローバル企業が多いことから、バフェット指数による株価バリエーションの信頼性は以前よりも低くなっているかもしれません。
その一方で、現在のイールドスプレッドは2.4%程度となりますので、米国株価は現在の国債金利0.72%では約22%の上昇余地があります。
米国株の大暴落は10年国債金利の上昇がトリガーとなる可能性があります。現在水準では金利1.3%となると暴落フラグが点灯することとなります。一方で、今回のFRBの声明を考慮すれば暫くの間は金利は1%以下に抑えられる可能性があります。一番重要な点は米国株は保持しつつ、イールドスプレッドが1.8%以下となったら保有株の半分以上を金又は円に移転することを検討する余地があるということです。
ドットコムバブル時における各資産のバリエーション
次に、ドットコムバブル時における各資産のバリエーションを以下に示します。
バフェット指数 | 138% |
S&P500 PER | 29倍 |
S&P500 シラーPER | 43.8倍 |
S&P500 株益回り(シラーPER) | 2.3% |
米10年国債金利 | 6.00% |
インフレ率 | 3.4% |
実質米10年国債金利 (10年国債金利-インフレ率) | 2.6% |
実質株益回り (株益利回り-インフレ率) | -1.1% |
イールドスプレッド (株益回り-10年国債金利) | -3.7% |
ダウゴールドレシオ | 40倍 |
金銀レシオ | 55倍 |
ゴールドマネタリーベースレシオ | 0.42 |
基準シラーPER | 13倍 |
株価上昇余地 | -70.8% |
上記より明らかなようにドットコムバブル末期の2000年当時の株価バリエーションが如何に異常であったかがわかるかと思います。実質株利回りはなんとマイナス、イールドスプレッドは-3.7%となっており、株価上昇余地は-71%だったのです。一方で、実質国債金利は2.6%となっており十分魅力的な水準となっていました。
この当時であれば、ポートフォリオの半分を米国債としつつ、もう半分を金にするのが妥当な選択だったのではないでしょうか?
住宅バブル当時における各資産のバリエーション
次に、米国住宅バブル時における各資産のバリエーションを以下に示します。
バフェット指数 | 102% |
S&P500 PER | 17倍 |
S&P500 シラーPER | 27.2倍 |
S&P500 株益回り(シラーPER) | 3.7% |
米10年国債金利 | 4.9% |
インフレ率 | 2.8% |
実質米10年国債金利 (10年国債金利-インフレ率) | 2.1% |
実質株益回り (株益利回り-インフレ率) | 0.9% |
イールドスプレッド (株益回り-10年国債金利) | -1.2% |
ダウゴールドレシオ | 20倍 |
金銀レシオ | 52倍 |
ゴールドマネタリーベースレシオ | 0.8 |
基準シラーPER | 15倍 |
株価上昇余地 | -45.3% |
さて、住宅バブル末期の2007年のバフェット指数は102%でPERは17倍だったのです。一見すると株価は適正水準であるように思われます。ところが、この当時のシラーPERは27倍と割高だったのです。
さらに、10年国債利回りは4.9%だったことからイールドスプレッドは-1.2%となり、株価上昇余地は-45.3%だったのです。実際にサブプライムローンによるCDOの破綻リスクの噂に気付かなかったとしても株価の大暴落はイールドスプレッドで十分に予知できたわけです。
この当時であれば、ポートフォリオの半分を米国債としつつ、もう半分を円又は金にするのが妥当な選択だったのではないでしょうか?
現在のポートフォリオ
ゼロ金利政策の維持と共に現在のイールドスプレッドはまだ危険水準ではないことから、ポートフォリオのBNDを全て売却して、今月は個別株のアストラゼネカ(AZN)と、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)と、マイクロソフト(MSFT)をそれぞれ購入しました。
アストラゼネカは、COVID-19のワクチン開発のトップを走ると共に、現在開発中の抗がん剤等の治療薬が将来的に莫大な利益を生むことが期待されています。特に、マイクロソフトと共同でAIを利用した創薬開発に注力しており、PEGレシオが魅力的な水準となっています。
BTIは株価が低迷しておりますが、現在の配当利回りが8%であることや相性が良い銘柄であることが決め手となります。コロナ禍による売上減少やメンソールタバコの規制等のネガティブ材料も多いですが、EPS成長率は実はかなり順調となり、PEGレシオも魅力的な水準となります。
マイクロソフトはTeamsの使い勝手の良さから、ビデオ会議プラットフォームを席捲する可能性があると睨んでいます。ポストコロナの働き方改革により同社のソフトインフラが益々重要になることは間違いないように思います。また、ポストコロナで最も伸びる分野はGAFAの主戦場であるスマホではなくパソコン等のビジネスツールになると考えられるのです。2010年代はGAFAの時代となりましたが、それは単に4G普及を通じたスマホ利用者の爆発的増加によるものとなります。一方、スマホは移動を前提とした情報端末です。移動が規制された現在、在宅を通じてスマホよりもパソコンを操作する時間の方が長くなっているのですね。また、外出先でのスマホ利用は感染リスクの要因ともなります。ということでテック系銘柄はコロナ禍での恩恵が大きいマイクロソフトを今回選択しました。
まとめ
今回の記事は如何でしたでしょうか?
株価は超絶バブル状態となっているものの、イールドスプレッドはまだ危険水準に達していませんので、イールドスプレッドに注視しつつ、場合によってはポートフォリオの入れ替えを検討することが必要となるかと思います。
それではコロナ禍の中での来週からのお仕事を頑張りましょう。